インテリアの名脇役、そして時には主役にもなるのが「壁紙」です。
部屋の面積の大部分を占める「壁」は視界に入る割合も多く、インテリアの印象を左右する重要な要素です。
全3回でお届けしている「プロが教える!失敗しない壁紙の選び方」。
2回目の今回は、「ベースクロス」「アクセントクロス」選びのコツとコーディネート例をご紹介します。
壁紙メーカーが手掛けた素敵な実例写真もたくさん掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
- 海外インテリアと、間取り・色彩計画が好きなインテリアコーディネーター
- 大手住宅メーカー勤務・家具ショールーム勤務・フリーランス 多様な働き方を経験
- 資格:インテリアアカデミー認定講師、インテリアコーディネーター、整理収納・色彩等
ベースクロスとは
ベースクロスとは、部屋や家全体の大部分を占める壁紙のこと。
調和しやすく飽きにくい「白系」の色が一般的で、インテリアを引き立たせる「名脇役」になります。
「白い」ベースクロスを選ぶときのポイント
ベースクロスの色は「真っ白」ではなく「白系」を選ぶことがポイントです。
もし今、部屋の壁紙を見れるようであれば、近づいて見てみてください。
「白」だと思っていた壁紙は、よく見てみるとベージュやアイボリー、グレーがかっている、ということも多いと思います。実際のところ、「真っ白」の壁紙は意図的でない限りあまり使われません。なぜなら、
色は、面積が大きくなるほど「明るく・淡く・薄く見える」という特徴があるからです。
ベースクロスにおいても、「白い壁紙にしたい」と思って「真っ白」を選んでしまうと、部屋の壁に貼った時にかなり明るく感じてしまいます。
「白」は緊張感を高める作用もありますので、自宅やリラックスする空間では「真っ白」ではなく、オフホワイトやグレーがかったホワイト、アイボリー・ベージュなど「色み」に注目して選ぶことをおすすめします。
サンプルで選ぶ際には、つい近くで見てしまいますが、実際の暮らしの中で壁紙を間近でじっくり見る機会は稀です。
小さなサンプルの色は「濃く」感じますので、少し遠いところから見たときに「白い」と感じる色を選ぶと自然な空間に仕上がります。
デザインイメージ別 ベースクロス施工例
ナチュラル〈 織物調 × ベージュ・アイボリー 〉
「織物調」壁紙 と「ベージュ」「アイボリー」の組み合わせは、ナチュラル・北欧ナチュラル・和モダンなどの、あたたかさや柔らかさを感じるインテリアにぴったりです。ホテルライクなどの上質空間にも使われます。
ベーシック・カジュアル〈 無地 × オフホワイト 〉
さらっと、すっきりした「無地・プレーン」の「オフホワイト」の壁紙は、様々な家具や色と合わせやすいことが魅力です。ベーシックからカジュアルまで幅広いインテリアが楽しめます。
モダン・シック〈 石目調 × グレー 〉
「グレーがかったホワイト」や「グレー」の「石目調」壁紙は、モダン・シックなインテリアにぴったり。北欧モダンにも◎。コンクリートのようなテクスチャーは、インダストリアルスタイルやクールなインテリアにおすすめです。
アクセントクロスとは
アクセントクロスとは、部屋や空間の一部に用いる、ベースクロスとは違う「色」や「柄」の壁紙のこと。4面のうち1面など、部分的に使用することで空間にメリハリを与えます。
名前の通り「アクセント」となる壁紙で、インテリアの印象に大きく影響します。人の目を惹きつける「アイキャッチ」の役割があるため、選ぶ色や柄によってはアクセントクロスがインテリアの主役になると言っても過言ではありません。
デザインイメージ別 アクセントクロス施工例
アクセントクロスは、ベースクロスとの相性に加えて、インテリアイメージ・インテリアスタイルに合った色・柄を選ぶことがポイントです。
ここからは、デザインイメージごとのアクセントクロス施工例をご紹介します。
ナチュラル
木目調のアクセントクロスでぬくもりを感じる空間に。チェックとの相性も◎
淡い色合いと植物柄のアクセントクロスで、自然の中にいるような心地よい空間に。
和風
和紙や左官仕上げを感じるテクスチャーの壁紙と現代的な家具を合わせて和モダンに。
日本の伝統的な模様を取り入れて、和の美しさを愉しむ空間に。
天井には、壁より濃い色のクロスを使うと落ち着いた空間になります。
北欧
石目調(塗り)+淡く柔らかいグレーのアクセントクロスで北欧モダンなインテリアに。
北欧デザインの花柄とイエロー・ブルーの組み合わせで、楽しいおうち時間に。
シンプルモダン
モノトーンの石目調アクセントクロスで、クールな空間に。
ライトグレーの幾何学模様を取り入れて、シンプルでスタイリッシュなインテリアに。
インダストリアル
コンクリート打ちっぱなしの壁紙とアイアンを合わせて、インダストリアルスタイルに。
スモーキーなアメリカ積みレンガの壁紙で、ブルックリンスタイルのインテリアに。
アクセントクロス おすすめスペース5選
好きなインテリアイメージやインテリアスタイルが見つかっても、目立つ色や柄を選ぶのは勇気がいりますよね。
かといって、「失敗が少ない無難な壁紙」を選ぶだけでは面白くない。
せっかく新築やリフォームをするのなら、好みの壁紙を使って個性を出したい!マイホームの醍醐味を味わいたい!という方も多いのではないでしょうか。
ここからは、アクセントクロスを採用するのにおすすめのスペースをご紹介します。
1 トイレ
正面もしくは側面、場合によっては天井にも。
1階と2階で雰囲気を変えるのもおすすめです。
上下で色や柄を変える「貼分け」も楽しめます。
撥水効果などのある「機能性壁紙」を選べば、より快適な空間に。
2 ワークスペース・家事スペース
ワークスペースや家事スペースには、気分の上がる色や柄を取り入れてみてはいかがでしょうか。
3 階段下収納・ニッチ・クローゼット
階段下やニッチは、「遊び心」を取り入れやすいスペース。
クローゼットは、扉を除くすべての面をアクセントクロスにするのもおすすめです。
4 玄関・シューズクローク
「家の顔」である玄関には、さりげなく個性を取り入れてお気に入りの空間に。
5 寝室・子ども部屋などのプライベート空間
「好き!」を取り入れられるのも、プライベート空間のよいところ。
寝室は、快適な睡眠がとれる空間に。
アクセントクロスには、リラックス効果のある青や緑、淡く優しい色づかいなど「穏やかな気持ちになれる色」がおすすめです。
天井に、目立つ柄や木目・節のクロスを貼る場合は、ベッドに横になって天井を見上げた時に気になって寝付けない…という可能性もありますので、注意して選ぶようにしましょう。
まとめ
全3回でお届けしている「プロが教える!失敗しない壁紙の選び方」。
2回目の今回は、「ベースクロス」「アクセントクロス」選びのコツとコーディネート例をご紹介しました。
実例を参考に、色み・テクスチャー・デザインを組み合わせて、お気に入りの空間づくりを楽しんでくださいね。
続編〈壁紙の確認方法・注意点〉プロが教える!失敗しない壁紙の選び方 (3)では、
事前に失敗を防ぐポイントをご紹介します。
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