家具選びで失敗しないためには「サイズ」の確認が必須です!
この記事では、言われないと気がつかないけれど、見落とすと失敗してしまう大切なポイント
についてお伝えしていきます。
- 家具の購入を検討している方
- インテリアコーディネーター「二次試験」で必要な家具サイズを知りたい方
- インテリアコーディネーターとして家具を提案したい方
ぜひ最後まで読んで、家具選びを楽しんでくださいね。
インテリアコーディネーター資格「二次試験」は、プレゼンテーションと論文を合わせて180分で仕上げなければならないため、時間配分が重要です。
受験する方は、家具サイズや必要な通路幅など、インテリア計画に必要な情報はあらかじめ覚えて試験に臨むようにしましょう。
この記事の最後に、二次試験に必要な数値をまとめました!参考にしてください。
- 海外インテリアと、間取り・色彩計画が好きなインテリアコーディネーター
- 大手住宅メーカー勤務・家具ショールーム勤務・フリーランス 多様な働き方を経験
- 資格:インテリアアカデミー認定講師、インテリアコーディネーター、整理収納・色彩等
家具サイズ選びで失敗しないためには? よくある失敗例3選
家具選びで失敗する原因になりやすいのが「サイズ」と「スペース」です。
ここからは、「よくある失敗例」と、その対策をご紹介していきます。
失敗例1「部屋に置いてみたら家具が大きすぎた!」
失敗しないためには?
家具選び・購入の前に、
まずは、家具を置く予定のスペースを測りましょう。
配置スペースには、
家具のサイズ + 通路・動線となるスペース が必要です。
インテリアコーディネーター資格試験を受験する方は、基準となるサイズを覚えておきましょう!
メジャーでサイズを測ったら、床にマスキングテープを貼ってみましょう。
家具のサイズ感や通路として必要なスペースが、立体的にイメージしやすくなります。
失敗しないためには、「家具そのもの」のサイズだけではなく、
「人の動き(動線)」や「動作に必要なスペース」に注目することが大切です。
失敗例2「ダイニングの通路が狭くて、奥の席に行くのが大変・・・」
失敗しないためには?
- 椅子を引いて座る
- 座っている人の後ろを通る
- 配膳する などの
必要な「動作」のスペースを考慮して家具のサイズを選ぶようにしましょう。
- 椅子を引いて座るためのスペース : テーブルから 80cm以上
- 椅子に座っているときのスペース : テーブルから 40cm~50cm
- 座っている人の後ろを通るためのスペース :
椅子の背もたれから 60cm以上
テーブル ⇔ 壁の場合では、椅子を引いて座るために80cm以上、
椅子に座っている人の後ろを通る場合は、②+③で110cm以上のスペースが必要ということになります。
人数に合ったテーブルサイズを選ぶには?
食事のために必要なスペースは、
1人あたり 幅60㎝ × 奥行40㎝
このスペースに人数を掛けると、必要なダイニングテーブルのサイズが分かります。
たとえば、4人掛けの場合
幅 60cm × 2人分 = 幅120cm
奥行40cm × 2人分 = 奥行80cm
ただし、これは必要最低限のテーブル「天板サイズ」。
配置スペースに余裕があるのなら、ダイニングテーブルは少し大きめのサイズを選ぶと
ゆったりとして使い勝手がよいのでおすすめです。
最近では仕事や宿題など、ダイニングを食事以外で使うことも増えています。
暮らし方や状況に合わせて、サイズを検討するようにしましょう。
ダイニングテーブル「天板サイズ」に
通路・動線となるスペースを足すと、ダイニングに必要なスペースが分かります。
インテリアコーディネーター
二次試験を受験される方は
このサイズを全て覚える必要はありません。
「1人あたり 幅60cm × 奥行40cm」
が分かれば人数分を掛け算して対処できますね。
- 2人掛け
- 最小限必要なサイズ:
幅 60㎝ × 奥行 75cm - ゆったりサイズ:
幅70cm以上 × 奥行70cm以上
- 最小限必要なサイズ:
- 4人掛け
- 最小限必要なサイズ:
幅120cm × 奥行75cm - ゆったりサイズ:
幅135cm以上 × 奥行85cm以上
円卓:直径100㎝以上
- 最小限必要なサイズ:
- 6人掛け
- 最小限必要なサイズ:
幅160cm × 奥行85cm
(横並び2人ずつ、短辺1人ずつ) - 最小限必要なサイズ:
幅180cm × 奥行85cm
(横並び3人ずつ) - ゆったりサイズ:
幅200cm以上 × 奥行90cm以上
- 最小限必要なサイズ:
失敗例3「お掃除ロボットがソファの下を通り抜けられない!」
失敗しないためには?
お掃除ロボットを使う場合は、床から家具までの高さをチェックしておきましょう。
たとえば、床から座面が近いロータイプのソファや、脚の低い家具では、お掃除ロボットが通り抜けできない場合があります。
床から家具までの高さは10cm以上必要です。
知っておきたい!サイズの表記
W = 幅
D = 奥行
H = 高さ
SH = 座面高さ
※お掃除ロボットを使う場合は「床から家具までの高さ」をチェック!
「SH=座面高さ」とは異なります。
※家具のサイズは「mm(ミリメートル)」で表記されていることがほとんどです。
※この記事では、普段から馴染みがあり分かりやすい「cm(センチメートル)」で表記しています。
スペースにゆとりが必要な家具
ここまで、「家具のサイズ」だけで選ぶのは、失敗の原因ということをお伝えしてきました。
- その家具・シーンで必要となる「動作」を確認する
- 家具配置スペース = 家具のサイズ + 通路・動線となるスペースを確保する
この2つのポイントを前提に、スペースにゆとりが必要となる家具が
丸型テーブル(円卓)や 肘あり椅子 です。
- 丸型テーブル(円卓)
※正方形・長方形のテーブルに比べて、ゆとりが必要です。- 壁につけて配置できない
- 椅子を引く際に放射線状に広がる
- 肘あり椅子
※幅・椅子を引くスペース ともに、ゆとりが必要です。- 肘なし椅子に比べて、幅が広いことがほとんど(テーブルの脚間寸法にも注意)
- 肘がある分、横からの出入りができない
組み合わせる家具のかたちやデザインによって、必要なスペースが変わることがあるので注意しましょう。
テーブルと椅子を別々に選ぶ場合には要注意! テーブルの「脚間寸法」
家具全体のサイズや配置スペースの他に、見落としてはいけないのがテーブルの「脚間寸法」。
セットではなく、テーブルと椅子を別々に選ぶ場合には特に注意したいポイントです。
「天板サイズ」では椅子を並べられる余裕があっても、たとえば、テーブルの脚が内側についているデザインでは「脚間寸法」が足りず、椅子がテーブルの下に入らないということもあります。
たとえば、こちらのダイニングテーブルは、
「天板サイズ」は180㎝ ですが
脚が内側に付いたデザインのため「脚間寸法」は120cm。
テーブルの下(脚と脚の間)に椅子を納めたい場合には、椅子の幅+隣の人との間隔 を 脚間寸法120cm 以内にする必要があります。
テーブルとチェアを別々に選ぶ場合には、テーブル「天板サイズ」だけでなく、「脚間寸法」もしっかりと確認しておくようにしましょう。
脚間寸法が足りないと、こんな問題が・・・!
- テーブルの下(脚間)に椅子が納まらない
- 隣の席との距離が近くなりすぎる
- 出入りがしにくい
「ベンチ」を選ぶなら知っておきたい!テーブル「脚」の種類
テーブルの「脚」は、大きく分けると
1本脚・2本脚・4本脚から選ぶことができます。
1本脚
2本脚
4本脚
- テーブルの「内側」に脚があるデザイン
- テーブルの「外側」に脚があるデザイン
など、さまざまなタイプがありますが、
ダイニングチェアをベンチにする場合は
- 1本脚もしくは2本脚
かつ - 脚の位置が「内側」のタイプ
がおすすめです。
ベンチは1人掛けの椅子と違い「椅子を引いて座る」という動作が無いため、
- 4本脚のように、テーブル天板の角に脚がある
- 脚の位置が「外側」
このようなタイプだと、出入りの際にテーブルの脚と身体が当たってしまいます。
使い勝手が悪くなってしまう場合が多いので注意が必要です。
4本脚のダイニングテーブルとベンチを組み合わせる場合には、
テーブルの「脚間寸法」より小さいサイズのベンチを選ぶことで出入りがしやすくなります。
ベンチの購入を検討している方は、
出入りの際にテーブルの脚と身体が当たってしまい、使い勝手が悪くないか など
「人の動き」や「動作に必要なスペース」を、実際に確認しておくようにしましょう。
「使いやすさ・疲れにくさ」に影響する!テーブルと椅子の「差尺」
- ダイニングのテーブルと椅子がセットではなく、別々に選ぶ場合
- 書斎の備え付けのカウンター(机)に合わせる椅子を選ぶ場合 など
「脚間寸法」と合わせて注意したいのが、テーブルと椅子の「差尺」です。
インテリアコーディネーター試験でも、
この「差尺」は重要!
二次試験はもちろん、一次試験でも出題されます。
差尺は、食事や作業における使いやすさ・疲れにくい姿勢を保つための重要な要素です。
- 差尺 = 座高 × 1/3
※ 座高 = 身長 × 0.55
で計算することができます。
読書などの比較的軽い作業や、長時間の使用に重点を置く場合は
- 差尺 = 座高 × 1/3 -(2~3cm)
一般的な差尺は、27~30cmがよいとされています。
人間工学に基づいた「使いやすい」「疲れにくい」テーブルと椅子の選び方
- 人体を支える家具(人体系家具)である「椅子」の座面高さを決める
- 差尺を計算する
- 椅子の高さ+差尺=テーブル・机の高さを決定する
海外仕様では、
椅子の座面高さは45cm程度
テーブル高さは72~75cm程度
日本仕様では、
椅子の座面高さは40~43cm程度
テーブル高さは70cm程度
が多いため、組み合わせる際は「差尺」に注意が必要です。
- 差尺 = 座高 × 1/3
- 一般的な差尺: 30cm程度
- 椅子の座面高さ: 40cm程度
- テーブル高さ: 70cm程度
ソファやベッドなどの大型家具は要注意! 梱包サイズと搬入経路
せっかくお気に入りの家具を見つけても、
「出入口や通路が狭くて(低くて)入らない」
「階段を回り切れず、運べない」
という問題が起きてしまうことも・・・!
家具を購入する際には、必ず
- 搬入時の家具の形態
- 梱包サイズ
- 搬入経路
を確認しておくようにしましょう。
① 搬入時の家具の形態
ダイニングテーブルなどは、天板と脚を分割して組み立てが可能な場合が多いですが、ソファやベッドのフレームなどは分割できないものがあるので注意が必要です。
家具を分解・解体し、現地で組み立てのできる家具を
「ノックダウン式家具」といいます。
② 梱包サイズ
実際の家具のサイズより、大きいダンボールや梱包になります。
③ 搬入経路
- 玄関まわりのサイズ : 門扉・玄関ポーチの形状・幅
- 玄関サイズ : 扉を開けたときの幅・高さ、玄関ホールの幅・奥行・高さ
- 廊下 : 壁の手すりやドアノブ、天井の照明などに当たらない 幅・高さ
- 廊下の曲がり角 : 天井の高さ(照明がある場合は、照明までの高さ)
- 部屋の入口 : 扉を開いたときの幅・高さ、扉が開く方向
- 階段のサイズ : 手すり⇔手すり(壁)の幅・高さ、踊り場の奥行・高さ
- エレベーターのサイズ : 扉の幅・高さ、エレベーター内の幅・奥行・高さ
家具を購入前に、搬入経路と寸法を確認しておくようにしましょう。
まとめ
失敗しない家具サイズの選び方いかがでしたか?
お気に入りの家具が見つかっても「脚間寸法」や「差尺」を見落とすと
サイズが合わず、使い心地が悪くなってしまいます。
購入するときには「動線」や「搬入経路」も忘れずに確認するようにしてくださいね。
以下に、インテリアコーディネーター資格試験に必要な数値をまとめました。
- 通路・動線となるスペース:
60㎝以上 - 食事のために必要なスペース:
1人あたり
幅60cm × 奥行40cm - 椅子を引いて座るためのスペース:
テーブルから 80cm以上 - 椅子に座っている人の後ろを通るためのスペース:
テーブルから 110㎝以上 - 差尺 = 座高 × 1/3
- 一般的な差尺: 30cm程度
- 椅子の座面高さ: 40cm程度
- テーブル高さ: 70cm程度
二次試験で頻出の数値です。何度も見返して覚えておきましょう。
インテリアコーディネーターの仕事をする上でも必須の知識です。
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