インテリアコーディネーター試験に出題されるガラスの種類

ガラス窓のイメージ

インテリアコーディネーターの試験では、窓と一緒にガラスの種類について学ぶ項目があります。

ひとえにガラスと言っても、実は様々な種類があるため驚く人も多いかもしれませんね。

身近な窓からインテリアに使われるガラスなど今回の記事ではガラスの種類や活用について紹介していくので、勉強の役に立てれば幸いです。

目次

ガラスの種類

ガラスの種類を7つ紹介し、どういった特徴があるかと、用途についても説明していきます。

フロート透明ガラス

フロート透明ガラス

フロート透明ガラスは、いわゆる一般的な透明のガラスを指し、使われている数が多いため比較的安く購入できます。
ガラスの厚さは薄いもので2ミリ、厚いもので19ミリ(約2センチ)あり、薄いほど割れやすいのが特徴。

インテリア関連では、テーブルの天板をガラスにしたり、ドアにガラスを施したりする際に使われます。

また、ガラスの片面を特殊な膜で覆って鏡にしたり、色の塗料を施してカラーガラスとして使うこともあります。

建築業界では「フロート透明ガラスの厚さ6ミリ」という表現を「FL6」と表すことがあり、窓にどんなガラスを使うかローマ字と数字で表記する図面もありますよ。

型板(すり板)ガラス

型板ガラス

ガラスの表面に細かな凹凸を付けることで、透明度を無くしたガラスを型板ガラスと言います。
別の呼び名は、すり板ガラス、曇りガラス、フロストガラスがあり、透明度の違いによって呼び名が異なるのが特徴。

サンドブラスト加工でガラスに模様を付けてグラスを作ったり、窓ガラスにも凹凸を施して模様を付けたりすることがあります。

目隠しをしたい窓に型板ガラスを使うと外からの視界を遮れますが、濡れると透明になってしまうタイプがあるため、浴室に型板ガラスを使う時は確認が必要です。

網入り板ガラス

網入り板ガラス

フロート透明ガラスや型板ガラスの中に、金網・金属線を縦や斜めに格子状に入れたものを網入り板ガラスと言います。

火事で窓ガラスが壊れた際に、ガラス片が飛び散るのを抑える効果があるのが特徴です。

建築において、防火地域などに該当する際や、防火性能が必要な場所は、網入りガラスを使わなければいけません。

網が入っていますが、ガラスの強度は普通の透明ガラスと変わらないため、防犯効果は無いと覚えておきましょう
(防犯性能を求める場合は、後述する合わせガラスが良いでしょう)

強化ガラス

フロート透明ガラスよりも衝撃に強い加工を持ったガラスを強化ガラスと言います。
安全ガラスとも呼ばれ、強化ガラスの効果を持った型板ガラスもあります。

強化ガラスは砕けると1センチ以下の細かい状態になるのが特徴。

普通のガラスが砕けると大きな破片が残ったり、鋭利になったりしますよね。そのため、強化ガラスの方が粉々になった際にケガをしづらいと言えます。

そのため、お店などでディスプレイ用のガラスの棚、学校などの公共施設で使われたりします。

複層ガラス(ペアガラス)

複層ガラス

フロート透明ガラスなどを2枚重ねる際に間に空気の層(中空層)を作るガラスを、複層ガラス(ペアガラス)と言います。

ガラス1枚よりも断熱性が高く、結露の発生も抑えられることから窓に使われることが多くなっています。

特徴として、リビングの大きい窓に複層ガラスを使うと、窓を開ける時にガラス2枚分は意外に重たく感じることがあります。

複層ガラスには、真空ガラスと呼ばれるタイプもあり、ガラスの間に真空を作ることで全体の厚さを抑えるものもあります。

Low-E複層ガラス

Low-E複層ガラス
(画像出典:YKK AP株式会社

Low-Eと呼ばれる金属膜を施したガラスを使った複層ガラスをLow-E複層ガラスと言います。

熱の出入りを抑えることで、外気温の影響を受けづらくするのが特徴で、室内の冷暖房効果を高めることができます。

また、紫外線を7割抑える効果もあり、フローリングや家具などの日焼け・退色を防ぎます。オフィスビルなどで採用されることがありますが、機能性が高いことから価格も高めです。

合わせガラス

合わせガラス
(画像出典:AGC Glass Plaza

フロート透明ガラスを2枚合わせ、中間に合成樹脂の膜(フィルム)を圧着させたものを合わせガラスと言います。

フィルムを厚くすると何かぶつかった時に貫通しづらくなり、防災や防犯性能が高くなるのが特徴。

また、衝撃を受けた際にガラス片が飛び散ったりしづらいことから、自動車のフロントガラスに使われたりします。

インテリアとガラスについて

家やインテリアにおけるガラスについて、窓や内装に関する紹介を2つします。

窓ガラスの選び方

家やマンションにおける窓ガラスの選び方として、リビングを例に挙げてみましょう。

リビングなどに使う大きい窓は、外からの光を取り入れるためにシンプルなフロート透明ガラスを使うことが多いです。

一方で、部屋の冷暖房効果を高めたい場合には複層ガラスを使ったり、紫外線が気になる場合はUVカット効果のある複層ガラスや合わせガラスを使う場合もあります。

また、泥棒などの侵入を防ぎたい場合は、防犯建物部品共通標章の「CPマーク」が付いた防犯ガラスもおすすめです。

このマークの意味は、「防犯」を意味するCrime Prevention の頭文字CPを図案化したもので、「防犯性能の高い建物部品目録」に掲載・公表された建物部品のみを「防犯建物部品」と呼び、「CPマーク」の使用が認められています。

CPマーク
CPマーク

防犯ガラスは、特殊樹脂膜を挟んだ合わせガラスタイプの他、ポリカーボネート板をガラスの間に圧着するタイプもありますよ。ハンマーなどでガラスを壊して侵入させないように作られており、店舗などでも使われています。

他にも、防音性を高めたい場合には以下もおすすめ。

防音複層ガラスは、中空層に特殊ガスを使うことで防音性能を高めます。
防音合わせガラスは、中間膜に遮音性のあるものを使って防音性能を高めます。

窓枠の種類と二重窓の効果について

一般的な窓の枠の部分はアルミでできており、熱伝導率が高いことから冬は冷たく、夏は暑くなりやすいです。
そのため、枠の部分を樹脂にすることで熱を伝わりにくくすることで、部屋の冷暖房効果を高めることができます。

こうした樹脂窓を、既存の窓の内側にもう1つ付けることで、さらに効果を高めることができます。

いわゆる二重窓と言いますが、寒い地方で採用されることが多いのが特徴です。

二重窓は、内窓(インナーサッシ)とも呼ばれ、アルミ窓や樹脂窓などを2つ重ねることで、断熱効果を高める他に、防音効果や防露効果もあります。

まとめ

ガラスの種類や特徴、インテリアや家との関わりについて紹介しましたが意外だった内容はありましたか?

断熱や防音性を求める際には、ガラスや窓の種類をしっかり選ぶ必要があることが分かっていただけたと思います。

今回の記事を踏まえて、身の回りの窓やガラス製品に興味を持っていただけたら幸いです。

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