今回は、インテリアコーディネーター資格受験者はもちろん
インテリア好きの方も絶対に覚えておきたい
「名作椅子(デザイナーズチェア)」についてご紹介します。
2023年から一次試験の受験方式が大きく変更されました。
ただ、試験範囲や審査基準に変更はないということですから、対策や勉強法などを変える必要はありません。
2024年の申込期間・試験日がインテリア産業協会より発表されています。
- 申込期間:2024年7月16日(火)〜8月31日(土)
- 一次試験:2024年9月17日(火) ~ 2024年10月17日(木)
※CBT方式のため受験申込時に希望日時の1日程を選択 - 二次試験:2024年12月8日(日)
※詳細・申込:インテリア産業協会HP
受験者必見!インテリアコーディネーター資格試験(一次試験)の傾向と対策
まずは、インテリアコーディネーター資格試験を受験する方は絶対に知っておきたい
試験範囲(一次試験)と出題傾向・対策について、ご紹介します。
- 海外インテリアと、間取り・色彩計画が好きなインテリアコーディネーター
- 大手住宅メーカー勤務・家具ショールーム勤務・フリーランス 多様な働き方を経験
- 資格:インテリアアカデミー認定講師、インテリアコーディネーター、整理収納・色彩等
試験審査の範囲(一次試験)
- インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
- インテリアコーディネーターの仕事に関すること
- インテリアの歴史に関すること
- インテリアコーディネーションの計画に関すること
- インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
- インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
- 環境と設備に関すること
- インテリアコーディネーションの表現に関すること
- インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
この一覧からもわかるように
一次試験は範囲が広く、出題される内容も多岐に渡るので対策が難しい試験です。
一例として「インテリアの歴史」があります。
日本と西洋で、それぞれ古代から現在に至るまでが出題され、時間をかけて学習する人は多いですが、範囲が広い割には、出題数は多くない分野ともいえます。
2022年および2021年度の試験において、西洋のインテリアの歴史(古代から現代)のうち出題されたのは、なんと 名作椅子(デザイナーズチェア)に関する問題だけ でした。
2023年以降はCBT方式のため、受験者によって問題が異なりますが、2022年までの出題傾向は引き継がれると考えられます。
もちろん毎年同じではありませんが、「合格」という目標に向かって効率よく学習するうえで、デザイナーズチェアはキーポイントのひとつになるでしょう。
デザイナーズチェアには時代の特徴が大きく反映していますので
「歴史」に苦手意識がある方も楽しみながらインテリアの学びを深めていけるというメリットもあります。
覚えることが多く、学習のハードルが高くなりがちな一次試験で
「どこから手を付ければ良いか分からない」と思っている方にとっても
デザイナーズチェアは、家具全般の知識やその他の分野とも結びつけて学習しやすいので、試験対策として役立ちます。
また、このような試験傾向が分かっていれば、「ライバルに差をつけられる」試験でもあります。
デザイナーズチェアとは
デザイナーズチェアとは、建築家やデザイナーによって手掛けられた椅子・作品のこと。
近代の建築技術の発展や、造形運動をもとに、建築家やデザイナーによって創作された「名作椅子」「傑作」の総称がデザイナーズチェアです。
古くから、家具・インテリアをデザインの対象としてきた西洋の歴史上で、国・文化・政権などを象徴して広まった家具とは異なり、デザイナーズチェアは「この椅子=この人(建築家やデザイナー)の作品」という認識が高く、時代を超えて価値が受け継がれています。
家具の中でも、時代の特徴やデザインの違いが反映されやすい「椅子」は、インテリアコーディネーター資格試験(一次試験)でもよく出題されます。
絶対に覚えておきたい!デザイナーズチェア
インテリアコーディネーター資格試験におけるデザイナーズチェアに関する出題への対策として
作品名・制作時代・デザイナー名・国名・素材・特徴を覚えておくことがおすすめです。
今回は
1 数々のデザイナーズチェア誕生のきっかけとなった「曲木いす」
2 2021年度インテリアコーディネーター資格試験(第39回 )に出題されたデザイナーズチェア
3 過去のインテリアコーディネーター資格試験で出題頻度が高かったデザイナーズチェア
をご紹介します。
デザイナーズチェアは雑誌やテレビでもよく使われていますので
まだ資格を取得する予定がない方も、インテリアの世界を楽しむきっかけになるはずです!
なお、2022年(第40回)で出題された「いすの歴史」は以下の内容で、重要度が少し低い箇所でした。
ですから、この記事では39回に出題されたデザイナーズチェアについてご紹介していきます。
- クリスモスと呼ばれるいすが作られた時代
- カクトワールと呼ばれるいすの様式名
- カブリオールと呼ばれるいすの様式名
- 18世紀末から19世紀中期にかけてアメリカで作られたいすの様式名
※上記はすべて、いすの画像が示されていました。
1 数々のデザイナーズチェア誕生のきっかけとなった「曲木いす」
曲木いす
作品名:No.14
制作年:1859年
デザイナー名:ミハエル・トーネット(ドイツ)
素材:ブナ材・籐
特徴:蒸気による「曲木加工」・パーツ生産(量産化)・ノックダウン(分解)方式
1830年代
ドイツの家具デザイナー・実業家であるミハエル・トーネットは
蒸気による曲木技術の発明・工場での大量生産を実現しました。
このことは、近代のモダン・デザインの発展と
デザイナーの個性や志向が明確に現れたデザイナーズチェアの誕生のきっかけとなりました。
2 2021年度インテリアコーディネーター資格試験(第39回)に出題されたデザイナーズチェア
スカンジナビアン・モダン
エッグチェア
作品名:エッグチェア
制作年:1958年
デザイナー名:アルネ・ヤコブセン(デンマーク)
素材:硬質発砲ウレタン成形・アルミ・革
特徴:SASロイヤルホテル(現:ラディソン・コレクション・ロイヤル・コペンハーゲン)のためにデザインされた椅子
卵に似ていることから名づけられた「エッグチェア」は
1930年代以降の北欧インテリア「スカンジナビアン・モダン」の代表作のひとつです。
SASロイヤルホテル(現:ラディソン・コレクション・ロイヤル・コペンハーゲン)のためにデザインされ
世界的に有名かつ人気のある作品として知られています。
パントンチェア
作品名:パントンチェア
制作年:1960年
デザイナー名:ヴェルナー・パントン(デンマーク)
素材:FRP(繊維強化プラスチック)
特徴:スタッキング(積み重ね)可能・カンティレバー(片持ち)構造
「パントンチェア」は
ヴェルナー・パントンとヴィトラ社(家具メーカー)で共同開発された
世界初のプラスチックによる一体成形型カンティレバー(片持ち構造)の椅子です。
先述の「エッグチェア」同様、1930年代以降の北欧インテリア「スカンジナビアン・モダン」の代表作のひとつです。
イタリアン・モダン
スーパーレジェーラ
作品名:スーパーレジェーラ
制作年:1957年
デザイナー名:ジオ・ポンティ(イタリア)
素材:トリネコ材・ラタン
特徴:超軽量(約1.7kg)
「スーパーレジェーラ」は、イタリア語で「超軽量」を意味し
その名の通り “指一本で持てる椅子” と言われるほどの軽さが特徴です。
椅子の機能と美を極限まで追求したこの作品はイタリアン・モダンの巨匠 ジオ・ポンティの代表作のひとつであり
カッシーナ社にとっては、初めて社外にデザインを依頼して完成した記念すべき製品でもあります。
アメリカン・モダン
ダイヤモンドチェア
作品名:ダイヤモンドチェア
制作年:1952年
デザイナー名:ハリー・ベルトイア(アメリカ)
素材:スチールワイヤー・丸鋼・ラバー
特徴:ワイヤーシェル構造
1950~1960年代は、「20世紀の中頃」に由来した「ミッドセンチュリー・モダン」というスタイルが
アメリカを中心に世界各地に広まった時代で、ダイヤモンドチェアはその代表作のひとつです。
彫刻家であるハリー・ベルトイアは、工業用素材を使って美しい芸術作品を創り出しました。
3 過去のインテリアコーディネーター資格試験で出題頻度が高かったデザイナーズチェア
パイミオチェア
作品名:パイミオチェア
制作年:1929年
デザイナー名:アルバ・アアルト(フィンランド)
素材:成形合板
特徴:フィンランド・パイミオにあるサナトリウム(結核治療所)のために作られた椅子
建築家・プロダクトデザイナーとして
「北欧の賢人」とも称されるアルバ・アアルトの最初の家具デザインとなったのが「パイミオ・チェア」です。
有機的なフォルムが特徴で、スカンジナビアン・モダンの先駆けとして世界的な注目を集めました。
まとめ
時代を超えて現代まで価値が受け継がれている「デザイナーズチェア」
今回は、過去のインテリアコーディネーター資格試験(一次試験)で出題された作品を中心にご紹介しました。
魅力的なデザイナーズチェアは他にもたくさんありますので、ぜひ調べてみてください。
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