木材・デザイナーズチェア【2024受験者必見】インテリアコーディネーター

ナチュラルインテリアのイメージ

家具や建具・フローリングなど、住まいづくりやインテリアコーディネートに欠かせない「木材・木質系材料」は、インテリアコーディネーター資格試験でも頻出の分野です。

この記事では、インテリアコーディネーターが知っておきたい木材・木質系材料の知識に加えて、「成形合板」で作られた名作椅子(デザイナーズチェア)をご紹介します。

資格に合格するための学びに留めず、実務で役立つ知識を身につけることができれば一石二鳥。
試験勉強を有効活用して、インテリアコーディネーターとしての提案力をアップさせましょう!

この記事を書いている人
N講師
  • 海外インテリアと、間取り・色彩計画が好きなインテリアコーディネーター
  • 大手住宅メーカー勤務・家具ショールーム勤務・フリーランス 多様な働き方を経験
  • 資格:インテリアアカデミー認定講師、インテリアコーディネーター、整理収納・色彩等
目次

受験者必見!インテリアコーディネーター資格〈一次試験〉出題傾向

スクロールできます
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木材・木質系材料2111
機能材料他01200
鉄筋コンクリート00011
【材料】過去5年間の出題傾向

表中の「※」は、複合フローリング
2023年以降はCBT方式のため、受験者によって問題が異なります。

上記の表の通り、材料については毎年出題されています。
特に「木材・木質系材料」は他の材料と比較しても出題頻度が高いため、得点源として押さえておきたい分野です。

覚えておきたい「木材」の知識

木材の使用イメージ

適材適所で使われる 針葉樹と広葉樹

木材の種類には大きく分けて、針葉樹と広葉樹があります。

構造材・造作材・建具材・家具材など、樹種の特徴を活かして適材適所で使用されています。資格試験にも頻繁に出題されますので、分類や特徴をしっかり把握しておきましょう!

針葉樹

  • 軟木 (やわぎ・なんぼく・soft wood) と呼ばれる
  • 春材・秋材による年輪がはっきりしていて、木目が通っている
  • 国産材:スギ、ヒノキ、ヒバ、マツ、ツガ、サワラなど
  • 輸入材:ベイヒ、ベイマツ、 ベイツガ、スプルースなど
  • 構造材に適している(サワラは軟らかすぎるため構造材には不向き)
  • 木肌が美しいため、造作材・建具材などにも使用される
N講師

まっすぐ伸びる針葉樹からは柱や梁が作りやすく、構造材に適しています。

広葉樹

  • 堅木/硬木 (かたぎ/こうぼく・hard wood)と呼ばれる
  • 針葉樹ほど年輪がはっきりしない
  • 未加工の材面は凹凸が大きく粗いが、仕上がると美しいものが多い
  • 国産材:ケヤキ、キリ、ブナ、 ナラ、 カシ、クリ、サクラなど
  • 輸入材:チーク、マホガニー、ウォールナット、ラワンなど
  • 家具材、建具材、床材、 突き板などに使われる
ここが出る!頻出キーワード&攻略ポイント
  • 広葉樹の「ケヤキ」は従来から構造材としても使われてきた
  • 広葉樹(堅木)には「キリ」のように柔らかい樹種も含まれる

樹木の属性(〇〇科、針葉樹or広葉樹)、特徴(色や用途など)がよく出題されます。
テキストなどでしっかり確認しておきましょう。

+α 合わせて覚えよう!

チーク・マホガニー・ウォールナットは「三大銘木」と呼ばれる広葉樹で、高級家具や化粧材として使われます。

デザインイメージにも影響!木目の種類と特徴

木目の種類

丸太の切断面には、切取り方によって異なる「木目」が現れます。
木目とは、木材の表面に現れる年輪模様のことで、板目・柾目・杢目に区別されます。

板目【いため】
  • 年輪に対して接線方向に挽いた板の木目
  • 年輪が山形や波形など変化のある木目となって現れる

柾目【まさめ】

  • 年輪に対して直角に切り取った木目
  • 年輪が平行に揃って見える
  • 柾目は狂いが少なく優れた建材だが、一本の丸太から多く取ることができない
板目と柾目
N講師

混乱しがちな板目と柾目は「まっすぐ まさめ」と覚えるのがおすすめです。

インテリアコーディネーター資格試験には、原木を分割して製材するための計画・作業である「木取り」の名称が出題されることがあります。

板目・柾目

木取りによって現れた四面すべてが板目になる木取りを「四方板目」
四面すべてが柾目になる木取りを「四方柾(四方柾目)」と言います。

杢目【もくめ】
  • 装飾的な価値のある美しい模様が現れた木目
  • 虎斑杢、縮杢、玉杢などがある
板目・杢目・柾目
木目の例:左から「板目」「杢目」「柾目」

偉大な建築家も魅了した「虎斑杢」と、知っておきたい天然木の価値

ナチュラルインテリアで人気のオーク(ナラ)やブナの柾目面には、虎斑【とらふ】と呼ばれる杢目(模様)が現れることが特徴で、限られた樹種にしか現れない希少性と化粧的な価値が高いことが魅力です。

近代建築の三大巨匠フランク・ロイド・ライトも虎斑杢の美しさに魅了されたと言われています。

杢目の例
杢目の例:オーク(ナラ)の虎斑杢
※「オーク」とは、外国産のナラやカシの総称

しかし、提案する立場であるインテリアコーディネーターの知識・説明が不足すると、天然木ゆえの魅力は時に「傷」と思われてしまうなど、本来の価値が伝わらないばかりか、マイナスに捉えられてしまうこともあります。

また、納品されて初めて天然木の持つ「表情や個性」をお客様が知った場合には、思い描いていたイメージや好みに合わないことから、ご満足いただけない結果になる危険性もあります。

「虎斑杢」に限らず、木目(板目・柾目・杢目)はデザイン上の好みが分かれやすく、インテリアイメージにも影響します。

ショールームで実物を確認したり、実例写真からフローリングや家具への現れ方を知るなどして知識を身につけるとともに、インテリアコーディネーターとしての提案の幅を広げることが大切です。

家具では、特にダイニングテーブルで表情の違いが現れやすくなります。

木目が美しいダイニングテーブル

インテリアコーディネーターが価値を届けることで、選んだ家具や素材の魅力・愛着はより一層深まります。

基礎として身につけた知識をアップデートしながらその都度必要な情報を伝え、お客様に合わせて適切に提案することは、イメージをかたちにして空間をつくりあげるプロ=インテリアコーディネーターに求められるスキルのひとつと言えます。

木材の長所を活かし短所を改良した「木質系材料」

木質系材料のイメージ

木材には「比較的軽量で加工しやすく、木目が美しい」などの長所がある一方で、「火に弱い、材質が一定しない、乾燥による反りやねじれが起こる」などの短所があります。

そこで、木材の長所を活かした二次加工品として、自然素材ゆえの欠点を改良したものが「木質系材料」です。

木質系材料の種類と特徴

木質系材料の種類

集成材
  • 挽板(ラミナ)や小角材の繊維方向を平行に並べて接着した木質系材料
集成材

単板積層材(LVL)

  • 厚めの単板(ベニヤ)の繊維方向を互いに平行に接着し、長さ方向に強度を持たせた木質系材料

合板(プライウッド)

  • 薄い単板(ベニヤ)を繊維方向に直交させ、奇数枚を接着剤で圧着させた木質系材料
合板
K講師

繊維方向を交互に、直角になるように重ねることで、各単板のあばれや狂いを抑え、板全面に平均的な強度をもたせることができます。

成形合板

  • 合板を作る過程で、曲線をつけた加工木材

木質系材料の特徴

  • 製材品に比べて強度性能を均一に保つことが可能
  • 大きな断面を形成できる集成材は防火性能が高い
    (木材は表面が燃えて炭状になると、それ以上は燃えないという特性がある)
  • 優れた接着剤が開発されたことで、構造材にも利用されている

「成形合板」を使ったデザイナーズチェア

成型合板のいすのイメージ

単板(ベニヤ)と接着剤を、高温加熱・圧着することで製造される「成形合板」は、型枠によって様々な曲線をつくることができます。この技術を利用して、数々の名作椅子が誕生しました。

今回はその「成形合板」を使ったデザイナーズチェアをご紹介します。

デザイナーズチェアは、歴史や時代背景の関わりからも、インテリアコーディネーター資格一次試験に頻出の重要項目です。

時代を超えて受け継がれる名作家具の知識を身につけて、資格試験合格を目指すとともに、奥深いインテリアの世界を楽しみましょう!

パイミオチェア

パイミオチェア
画像出典:artek

作品名:パイミオチェア
制作年:1929年
デザイナー名:アルバ・アアルト(フィンランド)
素材:成形合板
特徴:フィンランド・パイミオにあるサナトリウム(結核治療所)のために作られた椅子。

Yチェア

Yチェア
画像出典:ACTUS

作品名:CH24(通称:Yチェア)
制作年:1950年
デザイナー名:ハンス・ウェグナー(デンマーク)
素材:木材(ビーチ材など)・成形合板・ペーパーコード
特徴:木部は曲木・成形合板・削り出しの加工が施されている。Y字型の背あて部分が成形合板。

アントチェア

アントチェア
画像出典:FRITZ HANSEN

作品名:アントチェア
制作年:1951年
デザイナー名:アルネ・ヤコブセン(デンマーク)
素材:成形合板・スチールパイプ
特徴:形状がアリ(=ant)に似ていることが由来。アリンコチェアとも呼ばれている。

セブンチェア

セブンチェア
画像出典:FRITZ HANSEN

作品名:セブンチェア
制作年:1955年
デザイナー名:アルネ・ヤコブセン(デンマーク)
素材:成形合板・スチールパイプ
特徴:シェル部分は9層のベニヤで構成されている。スタッキング(積み重ね)可能。

バタフライスツール

バタフライスツール
画像出典:天童木工

作品名:バタフライスツール
制作年:1954年
デザイナー名:柳 宗理(日本)
素材:成形合板・真鍮
特徴:羽を広げた蝶のようなデザイン。分解組立が可能。

ラウンジチェア&オットマン

ラウンジチェア&オットマン
画像出典:Herman Miller

作品名:ラウンジチェア&オットマン
制作年:1956年
デザイナー名:チャールズ・イームズ(アメリカ)
素材:成形合板・本革・アルミ
特徴:イームズの代表作のひとつ。シェル部分は7層のベニヤで構成されている。

まとめ

今回は、インテリアコーディネーター資格試験でも頻繁に出題される

  • 「木材・木質系材料」の知識とポイント
  • 「成形合板」を使ったデザイナーズチェア をご紹介しました。

資格に合格するための学びに留めず、実務で役立つ知識を身につけることができれば一石二鳥。
試験勉強を有効活用して、インテリアコーディネーターとしての提案力をアップさせましょう!

木材・木質系材料と同様、インテリアコーディネーター資格試験に高確率で出題されている「木造・在来軸組構法」の攻略ポイントはこちらの記事にまとめています。

関連する知識・情報を結びつけて覚えることで学習効率が上がり、記憶がしやすくなります。
あわせて読んで、試験対策に活用してください。

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