断熱材の種類と特徴や選ぶポイントは?省エネ住宅は窓にもこだわって

省エネ住宅

SDGsなどの気候変動を抑える取り組みや、世界情勢の変化によってエネルギー費の高騰が著しい現在。
エアコンや暖房効率を高め、エネルギー消費を抑える省エネ住宅は近年さらに注目されるようになりました。

省エネ住宅に欠かせないのが断熱性能です。

断熱性能を高めるために、注目すべき建材は『断熱材』と『窓』。
それぞれ様々な種類があり、断熱性能が異なるため「どれを選べばいいか分からない」とお悩みの方も多いでしょう。

この記事では、断熱材や窓の種類と特徴、選ぶポイントについてご紹介します。
省エネ性能を高める家づくりやリフォームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

断熱材の種類と特徴や選ぶポイント

断熱材は、大きく3種類に分けられます。

  • 鉱物繊維系
  • 木質繊維系
  • プラスチック系

日本の住宅で最も多く使用されているのは、鉱物繊維系の断熱材『グラスウール』です。
安価でコストパフォーマンスに優れていることから、多くの住宅で採用されています。

一方で、断熱性能が最も高いとされるのはプラスチック系の断熱材『フェノールフォーム』ですが、普及率は高くありません。

住宅の断熱材は、以下の要素を総合的に判断して選ばれています。

  • 性能
  • 価格
  • 地域の気候

断熱材は、単純に「断熱性能が高い種類が良い」とは言えません。
同じ種類の中でも、断熱材のグレードや厚みによって性能に差があります。

採用する断熱材は、価格や地域の気候など、あらゆる要素を総合的に判断して決定されるため、最適な断熱材は住宅によって異なるでしょう。

鉱物繊維系の断熱材

断熱材

住宅用断熱材の中でも最も多く採用されているのが鉱物繊維系の断熱材。
熱伝導率は低いほど、断熱性能が高いことを表しています。

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種類熱伝導率W/(m・K)特徴
住宅用グラスウール0.052~0.036水や湿気に弱く、防湿対策が必要
ロックウール0.047~0.040グラスウールよりも水や湿気に強い
高性能グラスウール0.038~0.033より断熱効果を高めたグラスウール
出典:国土交通省「断熱材の種類の例

鉱物繊維系の断熱材は、安価な上、正しく施工を行なえば十分な断熱性能が得られることから、コストパフォーマンスを重視する場合に最適です。
燃えにくい性能であることも、メリットの一つ。

特に高性能グラスウールは性能がよく、ZEH水準を満たす断熱仕様の例としても挙げられます

ただし、断熱材の性能が正しく発揮されるためには、隙間なく丁寧に施工することが必須。
施工する職人の技術力に左右される点に注意しましょう。

木質繊維系の断熱材

木質繊維系の断熱材に代表されるセルロースファイバーは、新聞紙をリサイクルした断熱材です。
地産地消が可能な点でも注目されています。

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種類熱伝導率W/(m・K)特徴
セルロースファイバー0.040天然の木質繊維を利用
調湿性能や防虫・防カビ性能がある
出典:断熱建材協議会「吹込み用セルローズファイバー断熱材の熱貫流率表

鉱物繊維系の断熱材と比較すると単価は高くなりやすいですが、優れた調湿性能や防カビ効果が期待できるでしょう。

鉱物繊維系の断熱材同様、施工精度で性能が変わります。

プラスチック系の断熱材

硬質ウレタンフォームは、外断熱工法だけでなく、吹付による内断熱工法にも対応しています。

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種類熱伝導率W/(m・K)特徴
ポリスチレンフォーム0.028~0.043施工性がよく水に強い
硬質ウレタンフォーム0.023~0.040熱伝導率を下げるため、気泡にガスを閉じ込めている
フェノールフォーム0.022以下熱伝導率が最も低い断熱材
高価だが断熱性能が低下しにくい
出典:国土交通省「断熱材の種類の例

プラスチック系の断熱材のなかでは、硬質ウレタンフォームが最も多く採用されています。
他のプラスチック系の断熱材と比べるとコストパフォーマンスに優れています。

内断熱工法と外断熱工法のメリットとデメリット

壁面の断熱工法は2種類に分けられます。

  • 内断熱工法
  • 外断熱工法

内断熱工法は、住宅内部から壁面に断熱材を施工する方法です。
グラスウールやロックウールなどの断熱材は、綿状の断熱材を敷き詰める方法で施工します。
柱やコンセントの位置の上には敷きこめないため、断熱材を加工し、隙間なく敷きこむ技術が必要です。

一方、硬質ウレタンフォームは吹付断熱が可能。
複雑な構造にも隙間なく断熱材を施工でき気密性が高められるメリットがありますが、グラスウールやロックウールよりもコストがかかるでしょう。

外断熱工法は、ボード状の断熱材を外壁材の下に施工する方法です。
柱などの構造材まで隙間なく断熱材で覆えます。
外構計画の際には、外壁に断熱材の厚みが加わる影響を考慮しましょう。

メリット・デメリットは以下の通りです。

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工法メリットデメリット
内断熱工法工事費が抑えられる
外壁に厚みが出ない
施工が悪いと結露・カビが発生しやすい
高気密にするには技術力が必要
外断熱工法施工性・気密性が高い
柱などの構造体が痛みにくい
外壁の厚みを考慮した計画、耐震性能や換気計画の検討が必要

内断熱工法と外断熱工法の両方を採用した工法を取り入れる場合もあります。

窓の断熱はサッシとガラスの種類で決まる

住宅の断熱を考えるとき、断熱材とあわせて検討したいのが窓。
窓は、住宅の中でも最も熱の出入りが多い場所です。
省エネ住宅を検討するなら、窓の断熱性能にもこだわりましょう。

窓の断熱性能を左右するのは、サッシとガラスの種類です。

窓サッシ

断熱性能と窓サッシの種類

窓サッシは3種類に分類され、特徴は以下の通りです。

スクロールできます
種類特徴
アルミ断熱性能は低いが、安価で求めやすい
樹脂アルミの約1/1000の熱伝導率で、断熱性能が高い
木製断熱性能が高く、意匠性にも優れる
定期的に、塗装などのメンテナンスが必要

この他、アルミと樹脂を合わせた『アルミ樹脂複合サッシ』も、それぞれの良いところを併せ持った商品として販売されています。
断熱性能や価格、意匠性、メンテナンス性を検討の上、取り入れましょう。

断熱性能とガラスの種類

ガラスの断熱性能は、以下の要素によって決まります。

  • ガラス枚数
  • 空気層(ガス)
  • Low-E金属膜

ガラス枚数は、単板ガラス、複層ガラス、トリプルガラスの順に、枚数が増えるにつれ断熱性能が高まります。
複数枚あることでガラスの間に空気層ができ、熱が伝わりにくくなる効果があるためです。
この空気層に『アルゴンガス』や『クリプトンガス』を入れることで、さらに断熱性能を向上できます。

また、『Low-E金属膜』をガラス表面にコーティングすれば、断熱機能や遮熱機能の向上が可能です。
西日の気になる窓には遮熱機能を付加するなど、住宅の特性にあわせて選びましょう。

まとめ

省エネ住宅を検討する際、断熱材や窓の選定は重要です。
しかし「自宅にあった断熱材や窓の選定は自力では難しい」と感じる方も多いでしょう。

そんな時には、住宅のプロである建築士やインテリアコーディネーターに相談してみては。
断熱材や窓だけでなく、様々な観点から省エネについてアドバイスが受けられます。

  • 自家発電システムや高効率給湯機の提案
  • 省エネ制度の補助金について
  • 省エネ性能を高める内装材選び

ぜひ断熱材や窓にもこだわって、省エネで快適な住まいを検討してください。

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